【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
クス、と可愛らしく微笑むと、じゃあね
、と手を振って去っていった律希ちゃん
。
……王子様?……なんのことかな。
そんなことを考えていたら、いつの間に
か教室には誰も居なくなって、ガランと
していた。
暫くすると、パタパタという足音が廊下
から聞こえてきて。
───ガラッ……!
「悪い遅れた!」
少し息を切らした凌斗君が駆け込んで来
た。
「ちょっと教師に捕まって……」
「ううん、大丈夫だよ」
ニコッと笑うと、凌斗君はホッとしたよ
うに笑って。
それから、私の前まで来ると、
「杏子」
と、やけに真剣味を帯びた瞳で私を見つ
めてきた。
いつになく真剣なその眼差しに、目を逸
らすことが出来ない。