【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
杏子は「……へ」なんて間抜けな声を出
しながら、目をパチパチと何度も瞬いて
いる。
……まあ、ここまで来たら、もう後には
引けねーし……。
どうせならこれに乗じて、杏子に触れて
やろう。───そんな悪魔な考えが顔を
覗かせてきて、俺は欲望に従うまま、そ
の華奢な身体を押し倒した。
───ドサッ……。
少し力を入れれば、容易く倒れる杏子。
俺に押し倒されて、未だ状況が理解出来
ていない杏子の顔の横に、両手をつく。
それから、すこし笑って見せた。
「じゃ……まずは、目、瞑って?」
「……え?」
俺の言うことが理解できていないらしく
、まん丸の瞳を俺に向けてくる杏子。
それから、おずおずといったように俺の
胸板を押し返してきた。
「さ、皐君……?どうしたの?」
戸惑ったようにそう言いながら、俺を押
し返そうとする杏子の手を握る。