【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
それから杏子の瞳をじ、と見つめれば、
杏子の瞳が揺れる。
「さ、皐君……?」
「目、瞑って」
「な、なんで……」
なんで?───そんなの。
俺はきょとんとする杏子の耳元に唇を寄
せてから、そっと息を吹き込むように囁
いた。
「キス、したいから」
そう言うと、みるみるうちに、杏子の顔
がカアッと火照っていき。
首筋までもが、桜色に染まり、それさえ
も俺を誘惑する、危険な媚薬に思えた。
「き、キスって……!」
「恋のカテキョの、第一歩だ」
そんなの、嘘だけど。
恋のカテキョとかまずそんな科目すら存
在しないし。