【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
【杏子side】
「海、行こう!」
律希ちゃんが突然そう言い出したのは、
夏休みも半分を過ぎた頃のことだった。
律希ちゃんのお家で二人で遊んでいたら
、律希ちゃんがいきなりそう言いながら
立ち上がった。
おお……いきなりどうしたのかな。
「律希ちゃん、海行きたいの?」
律希ちゃんを見上げてそう言うと、律希
ちゃんが私を見つめる。
その視線の強さに、思わずたじろいでし
まいそうなほど。
「だって!夏なのに夏らしいこと全然し
てないんだもん!海、行こっ!」
ずい、と迫られてそう言われれば、頷く
しかないわけで。
海はもともと好きだから、嬉しい。
「うんっ!行きた……あ」
行きたい!と言おうとした所で言葉を止
める。