【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
途中で言葉を詰まらせた私を、律希ちゃ
んが不思議そうに覗きこんだ。
「? どうしたの。都合悪い?」
「ううん、それはいつでもいいんだけど
……あの、水着……」
「水着?」
「……買わないと、ないや」
去年のはもうちっちゃいんだよね。
いつ買いに行こうかな、なんて思ってい
たら、律希ちゃんがキラキラした目で見
つめてきた。
「私が選んであげる!」
「う、うん?」
そんなに選びたいのかな……。
じゃあまた夜に電話するね、と言いなが
らその日はお別れし。
夜になってかかってきた電話の先の律希
ちゃんは……。
『あー……杏子ー?』
……不機嫌だった。