【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
律希ちゃんと海にいく日が、三日後に迫
ったある日。
私のカレンダーにつけられた花丸の下に
書かれていた"海!"という文字を見なが
ら、家庭教師に来てくれていた皐君が眉
を寄せた。
「杏子、海行くの?」
「あっ、うん!」
「誰と」
「え、律希ちゃんと……?」
そう言うと、皐君はまた眉間に皺を寄せ
て。
「女だけで?」
と訊いてきた。
「ん?あ、最初はそうだったんだけど、
なんか萱島君と凌斗君も行くことになっ
たんだ」
「……凌斗?」
だから女の子だけじゃないよ、と言おう
とした言葉は、皐君の低い声で消されて
しまった。
あ、あれ……。