【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
なんて不親切な先生だ、なんてちょっと
恨めしく思っていると、ドンッ、と背中
に重みがのし掛かってきて。
「杏子ー、どうだったぁ?」
ニコニコと私の背中にのし掛かりながら
そう訊いてきたのは、高校に入ってから
出来た友達の笹野 律希〔ささのりつき〕
ちゃん。
ちょっと赤みのある茶髪を、ポニーテー
ルにしている美人さんだ。
猫にもにたちょっとつりぎみの大きな瞳
と、印象的な八重歯。
背は私よりも十センチくらい高くて、ス
ラッとしている。
「だめ、だった……」
項垂れるようにそう言えば、律希ちゃん
が私の手元を覗いて来て。
きょとんと首を傾げた。
「え、どこが?普通に良いじゃん。むし
ろこの点数で落ち込むとか、嫌味にしか
聞こえないけど」
「うん、四教科はね、良いんだよ」