【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
だって弁当は朝確かに机に置いてあって
……あ。
「置き去りだ……」
「っしゃー!んじゃ、食堂決定ね~♪」
やけに嬉しそうにしながら、吉馬が俺の
手を引っ張る。
……不覚だ。ちゃんと確認しておけば、
こんなバカに付き合うこともなかったの
に。
はぁ、とため息をつきながら、吉馬の手
を振り払う。
「……一人で歩ける。だから恥じらいも
なく俺の手を握って廊下をスキップする
のはやめろ」
それじゃ俺まで変人だと思われるだろ。
つーかこんなに変な奴なのに、なんでこ
いつかモテるのか……皆、絶対外見に惑
わされてるぞ。
「───……あ!俺、職員室に用事があ
るんだった!」
食堂に向かう途中、急にそう言い出した
吉馬。