【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
うん? どういう事かな?
よく意味がわからなくて首を傾げる私に
、律希ちゃんはふてくされたように頬を
膨らませた。
「だってアイツ、私が日焼け止め塗ろう
としたら、塗ってあげるよとか言いなが
ら迫ってきたんだよ?」
「え、でもそれって親切心からなんじゃ
……」
そう言うと、ギロッと思い切り睨まれて
しまったので、慌てて口を閉じる。
「杏子はお人好しすぎ!あのね、親切だ
ったら普通、胸まで塗ろうとしてこない
から!」
「む、胸まで……」
ああ、それで真っ赤だったのか。
胸はさすがに……恥ずかしい、よね。う
ん。
「今日のアイツ可笑しいんだよ。やたら
構ってくるし。……前にも一回あったけ
ど」
そう律希ちゃんは首を捻ってから、不意
にその目を伏せて。
静かに、小さく。