【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
「そーいうことされると……勘違いしそ
うになるから、キツい」
自嘲するような笑みを浮かべて、そう呟
いた。
律希ちゃん……?
「あのね、杏子」
名前を呼ばれて律希ちゃんを見れば、律
希ちゃんが真剣な眼差しで私を見つめて
いて。
「私ね、実は城田君のこと───」
「あっれー?こんなとこで何してんのー
?」
律希ちゃんの声をかきけすように被さっ
てきた間延びした声に、律希ちゃんと二
人でそちらを見上げる。
すると律希ちゃんが、怪訝そうに眉を潜
めた。
「……杏子、いこ」
律希ちゃんはそう言って、私の手首を掴
むけど。
目の前に立っていた、男の子数人は、そ
んな私たちを囲むようにして。
「なんで逃げようとするのー?」