【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
甘ったるい声にイライラしながらも、カ
ウンターのそばまでいく。
吉馬……遅くないか?アイツさえいれば
、この女共どうにかしてくれるのに。
はぁ、とため息をついたその時。
───ドンッ、べちゃ……。
軽い衝撃と共に、足元に放り出されたオ
ムライスらしき残骸。
一瞬、何が起こったのかわからなかった
が、人がぶつかってきたのだと理解した
。
そして、カーディガンにべっとりとくっ
ついたケチャップと卵。
最悪、と思わず顔をしかめてしまうと、
あろうことかぶつかってきた女は、オム
ライスの心配をしてやがった。
……つーか、俺に気づいてなかった。
そんな女は初めてで、怒りよりも驚きの
ほうが強くて。
しばらくしてからやっと俺に気付いたら
しいソイツは顔を真っ青にした。