【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
立ち止まるのも、話すこともめんどくさ
くてスルーした。
だけど。
「ま、待ってください……っ!」
そんな声が聞こえたかと思ったら、あっ
という間にカーディガンが奪われていて
。
「……あ゛!?」
驚いて振り向けば、俺の汚れたカーディ
ガンをそいつが両手で抱き抱えていた。
……なんだ、コイツ。意味がわからん。
「……おい───」
「あっ、皐ごめーん!遅れた~……って
、あれ?その子……」
"カーディガン返せよ"と言おうとしたら
、タイミングが良いのか悪いのか、吉馬
がやって来て。
妙な雰囲気の漂う俺らを不思議そうに見
つめていた。
それから吉馬は少し食堂を覗くと、閑散
とした雰囲気に目をぱちくりさせ。