【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
私が謝らなくちゃいけない、もう一人の
相手。
それは凌斗君。
私は頭を下げたまま、言葉を紡いでいく
。
「ごめんなさい。今までずっとずるずる
と引き延ばしにしていたけど……私は、
凌斗君の気持ちには答えられない……」
そう言うと、しばらくの沈黙が流れて。
そして、凌斗君の声が降ってきた。
「……理由は」
「……気になるひとが、居るの。だから
……」
「……顔、上げて」
凌斗君にそう言われて、顔を上げると、
凌斗君は困ったように笑っていた。
「何で泣いてるんだよ」
「……っ、」
そう言って、凌斗君がセーターの袖口で
、私の涙をぬぐってくれる。
だって、痛いの。
告白を断ることが。想いを拒絶する事が
、こんなにも辛いだなんて、思ってもい
なかった。