【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
・カーディガン×意外×微笑
離宮君と、そのお友達らしき人に連れて
いかれたのは、どこかの空き教室。
もちろん私は、離宮君のカーディガンを
持ったままなのだけれど。
「んっと、んじゃ、まあテキトーに座っ
ていいよ、杏子ちゃん」
「あ、はい……え?」
あれ、今この茶髪の人、私の名前……。
椅子に座る直前の状態でそのことに気づ
き、目をぱちくりさせてしまう。
だって私はこの人のこと知らないから。
そんな私に気づいたのか、茶髪の人はニ
ッコリと笑って。
「杏子ちゃん、一年生で超可愛い子が居
るって有名だからね~」
「超可愛い子……?」
「うん。杏子ちゃんの事だよ。近くで見
るとやっぱり可愛いーねー!」
……超可愛い?……私が。
「ふふっ……茶髪さんてば、お世辞が上
手なんですね~!」
ちょっとビックリしちゃったなぁ、なん
てニコニコと微笑めば。