【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
心臓が、ぎゅう、って掴まれたみたい。
気持ちに応えられないことが、苦しいよ
……。
「ごめ…っね……」
「あーもう、泣くなってば。つか、なん
となくわかってたし。フラれるって」
苦笑いしながらそう言った凌斗君を、思
わず見つめる。
「……杏子が誰を好きなのかも、もうし
ってるし」
「えっ」
「俺って、結構鋭いから」
クスクスと笑う凌斗君に、顔が火照って
いく。
は、恥ずかしい……。
「……あのさ、最後にするから、抱き締
めてもいい?」
「……いいよ」
そう言うと、温かい凌斗君の温もりに包
まれた。
断ることなんて、出来なかった。
泣きそうな、凌斗君の声を聞いたら。
「……好きになってくれて、ありがとう
……」