【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
「……は…」
渇いた、無機質な笑い声が、唇から漏れ
た。
そういう、事か。
まさか凌斗ともうデキてるとは思ってな
かった。
「馬鹿みてぇ……」
こんなに必死になって探して、やっと掴
んだ真実がこれだなんて。
杏子にコクる勇気もない俺に、バチが当
たったのか。
俺はその光景を振り払うように、ゆっく
りと踵を返した。
◆◆◆
家に帰ると、ケータイの着信が鳴って、
出るとそれは吉馬だった。
『ヤッホー、杏子ちゃんに会えたー?』
このKYやろう。
そう怒鳴ってやろうと思ったが、吉馬は
悪くないし、心の中でとどめておく。
「……見つけた」