【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
そのあったかさと柔らかさに、涙が浮か
びそうになる。
「大丈夫だよ。今はちょっと、こじれて
るだけだろうし」
「うん……」
「杏子と王子なら、大丈夫」
そうだよね。
大丈夫だよね、きっと。
そのまましばらく抱き締めてもらって、
落ち着いてから律希ちゃんの腕を抜け出
したとき、
「律希」
と律希ちゃんを呼ぶ声がして、律希ちゃ
んといっしょにそっちを見れば、そこに
立っていたのは萱島君だった。
「双葉?どうしたの」
「あ、うん。あー……のさ、」
いつもとは違って、なんだか歯切れの悪
い萱島君。
「なに」
「うーん……。もう知ってるかもだけど
俺、彼女と別れたんだよね」