【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
・真実×原因×キス
「……もう時間だな。じゃあ、今日はも
う終わりで」
11月も、中旬。
時計の長針が、ぴったり12を指した所
で、皐君がそう言って立ち上がった。
……あれから、私と皐君は相変わらず。
お互いに、距離を取ってるみたいに。
夏の頃は、時間を過ぎてもしばらく家に
いてくれていたのに、いまじゃまるで、
早く帰りたいといわんばかりにすぐに切
り上げてしまう。
だから当然、ゆっくりと話す暇もなく。
でも、今日は。
今日こそは、ちゃんと話そう、って決め
たんだ。
「……皐君……っ!」
部屋を出ていこうとする皐君を呼び止め
て、服の裾を掴んだ。
皐君はびっくりしたように目を見開いて
から、スッと目を逸らした。
ほら、また。