【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
そしてしばらくの沈黙を挟んだあと。
「……は!?」
私を抱き締めていた皐君が、バッと私を
離して、そう驚いたような声を出した。
え、いや、私もびっくり。
まさか皐君に、そんな風に思われてただ
なんて……。
「杏子、嘘つくのは良くないよ」
「や、あの、嘘ではなく……」
本当に、つきあってない。
「本当に?」
「うん。本当、だよ」
凌斗君には悪いけど、凌斗君の気持ちに
は応えられないから。
だって、私が好きなのは……。
ああ、どうしよう。
なんか今さら、ほんと今さら、ドキドキ
してきちゃった。