【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
だってだって、なんか抱きしめられちゃ
ってるし。
すごく、距離が近いから。
こんなに近くに皐君が居るのは本当に久
しぶり。
「……だって杏子、凌斗と抱きしめあっ
てたじゃん」
少し唇を尖らせて、拗ねたようにそう言
う皐君。
「え……?」
だ、抱きしめ……?
「……結構前。教室で、見た。杏子も、
好きになってくれてありがとうみたいな
事、言ってたし」
……教室で……。
好きになってくれてありがとう……。
「……ああ!」
あれだ。
それはきっと私が凌斗君の告白を、お断
りした日の事だ。