【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
「あれはいきなり、あの女が、せっかく
だからとか意味不明なこと言って、抱き
ついてきたんだよ」
チッと舌打ちしながらそう言う皐君。
……あんまり、お姉さん好きじゃないの
かな……。
というか…。
「そっかぁ、お姉さんか……良かった」
そうホッと息をついていると、不意に、
皐君に顎を掴まれて、そのままクイッと
上に持ち上げられた。
それから、真剣な眼差しで見つめられる
。
ドクンッ、と心臓がジャンプした。
「……良かった、って、なんで?」
「えっ……」
「俺とあの女が、恋人じゃなかったら、
なんで良かった、なわけ?」
「……そ、それは…」
ああ、迂闊だった。
こんな、自爆みたいな真似しちゃうなん
て。