【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
八十点以上の数字がズラリ、と並ぶ解答
用紙を他人事のように見つめながら、深
いため息を吐いた。
問題は───……。
「この、数学なんですよ……」
ピラッと数学の解答用紙を見せてみれば
、それまでなんてことないじゃん、と笑
っていた律希ちゃんの笑顔がひきつって
。
一瞬の沈黙が流れてから。
「……ま、まあまあ!まだ高校デビュー
してから一ヶ月だし!これからなんとか
なるってば!」
と、見え見えすぎる慰めをかけてきた。
分かりやすすぎて、逆に傷付くんですけ
ど、なんて思いながら「32」と赤くで
かでかと書かれた数字を見つめる。
なにもこんなに、点数を誇示するように
おっきく書かなくてもいいのに。
でも本当にこの数字はヤバいと思う。
中学の数学すらも理解出来ていないのに
高校の数学が出来るわけがない。
不可能だとおもう。