【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
【皐side】
チラッと時計を確認して去っていった如
月。
その後ろ姿を見つめていたら、不意に、
ニヤニヤとだらしない顔をした吉馬が俺
の肩に腕を回してきた。
なんなんだコイツ、ニヤニヤしやがって
……。
「皐くぅ~ん?どういう風の吹き回しか
なぁ?」
「……何がだ」
「まったまたぁ!とぼけちゃって~!普
段だったら女の子なんて容赦なく蹴散ら
すくせにー」
蹴散らすって……そこまで酷くないだろ
、別に。
「それをカーディガン洗わせて、また接
点を自分から作るなんて~」
「……別に、深い意味とかないし」
ただ、そんなに嫌いじゃないな、とか。
面白い奴だなって思ったのは事実だけど
。
───ただ、それだけで。
ふーん、と呟いた吉馬が俺から離れ、何
かを思い出すようにうっとりする。