【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
「これ……笹野から?」
「う、ん……」
ドクドクと、嫌な汗が滲む。
フラれちゃったって、誰に?何で?
律希ちゃんは今……一人、なの?
そう考えたら胸がきゅうっと苦しくなっ
て泣きそうになったから、慌てて唇を噛
んで我慢した。
泣いちゃダメだ。
泣きたいのは、私じゃない。
「皐君……っ、私……!」
そう言って皐君を見上げれば、皐君は微
笑んでいて。
「……行ってきなよ」
そう言って、優しく背中を押してくれた
。
そんな皐君に、ありがとう、と心の中で
呟きながら、私はただ、律希ちゃんの元
へと駆け出した───。
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