【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~





「え、杏子……?」



律希ちゃんの家に行くと、律希ちゃんが
驚いたように私を見ていた。



乱れた息を整えながら、律希ちゃんを見
上げる。



「っ律希ちゃん……!」



そう言うと、律希ちゃんは困ったように
笑った。



「……今日、デートだったんでしょ?来
なくて良かったのに……」



そう言って、私の鼻をちょん、とつつい
た。



「鼻、真っ赤だよ?」

「……~っ」



嫌だ。そんな笑顔、やだよ。



無理して笑ってる律希ちゃんなんて嫌だ
よ。



来なくて良かったなんてそんなのウソ。



だって聞こえたの。


あのメールから、"助けて"って。





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