【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
聞こえたんだよ。
そんな私の思いが伝わったのか、律希ち
ゃんは、ふ、と目を伏せて。
「でも一人だと寂しかったから……来て
くれて、良かったかな……」
と、少し震える声で呟いた。
「律希ちゃん……」
「あのね、フラれちゃったの……」
「うん…」
だんだんと律希ちゃんの声に水分が混じ
ってくるのがわかって、胸が傷んだ。
「……城田君に、フラれちゃった……」
「う…え?」
うん、と相づちを打とうとして、言葉を
止めた。
……え、吉馬さん?
……え!?
「り、律希ちゃんの好きな人って、吉馬
さんだったの……!?」