【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
【皐side】
ふぅ、と息を吐き出すと、空気が白く濁
った。
……さて、これからどうするかな。
今日はクリスマス。
だからデートを杏子としていたわけだけ
ど……。まさかの緊急事態発生。
杏子の友達の笹野が、どうやら誰かにフ
ラれたらしい。
本当の本音は、もう少し杏子と居たかっ
たけど、あんな杏子の顔見たら、ここに
居て、なんてわがまま言えなかった。
まあ笹野は、杏子の大切な女の子っぽい
し、しょうがないけど。
「……じゃあ、俺も行こうかな」
今頃落ち込んでる、バカな男の元へ。
◆◆◆
「あれ皐、クリスマスなのに一人なの」
「そのセリフ、そっくりそのまま返して
いいか?」
吉馬の家に行くと、やっぱり吉馬は家に
居た。