【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
「そ、そんなことないけど…」
「……じゃあなんで次は三階に行くのに
、一階に行こうとしてるわけ」
そう。
次の授業は三階の特別教室でやるから、
ほんとは三階に行くんだけど、私は真逆
の一階に行こうとしている。
どうしてかって、そんなの……。
上から城田君の声が聞こえてくるからに
決まってるでしょーー!
廊下はよく声が響くから、城田君の声も
響いて聞こえてきてる。
今どこら辺まで来てるのかはわからない
けど、声が近付いてきてるのは確かだ。
だからこのままここには居られないんだ
ってば!
「ちょ、ちょっと一階に行きたい気分な
んだってば!」
だから離してよ、と双葉を睨む。
いつもはそんなことしないくせに、何故
か私の腕を掴んで、行く手を阻んでくる
から。