【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
聞き覚えのあるその声に、心が震えた。
次の瞬間、目に映ったのは。
「律希は、渡さないよ」
私の大好きな、城田君だった──。
城田君、どうして──……。
驚いて固まったように動けない私。
双葉はそんな私と城田君を見て、ふう、
とため息をつくと、切なげに笑った。
「……来るのが遅いよー?城田」
「お前……わざと…」
「律希を好きなのはほんとだけどね。で
も、律希が好きなのは俺じゃないみたい
だから」
双葉はそう言うと、去り際に。
「……律希、これからも友達でいような
」
と笑っていった。
双葉が出ていくと、静かになる室内。
……え、ちょっと待って。
え、なにこの状況。……え?