【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
一つだけ、気に入らない事がある。
「ねえ城田君、なんでそんなじっと見つ
めてくんの」
気持ち悪いんだけど、と顔を歪めて、冷
たい視線を送ってくる俺の彼女。
……いや、ていうか仮にも彼氏に"気持
ち悪い"ってどうなの?酷くない?
まあ、そんなツンデレな所も可愛いんだ
けど。
「あのさ、律希」
「なに」
「いい加減、その"城田君"ってのやめな
い?」
そう言うと、律希の表情が僅かに固まる
。
そして、律希が怪訝そうな表情を浮かべ
出した時───。
「あ、律希ー!」
どこからか、俺の嫌いな奴の声が聞こえ
てきた。
律希もその声の主に気が付いたのか、パ
ッと笑顔になると。
「双葉!」