【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
俺は律希の腕を掴んだまま、一緒に床に
座った。
それから、律希をそのまま自分へと引き
寄せ、律希を足で挟むようにして座る。
ぐ、と近くなった距離。
だからか、律希の顔が真っ赤になった。
「ちょ、ほ、ほんと何なの……」
「──呼んで」
「……え?」
「吉馬、って、呼んで」
そう言うと、律希の瞳が揺れる。
それから律希は、すいーっと目を逸らし
た。
「い、今更、別に……」
「俺の事は呼べないのに、萱島の事は、
呼べるんだ?」
少し低い声でそうきくと、律希が驚いた
ような顔を見せた。
こんな嫉妬、ダサいなんてわかってるけ
ど。
ダサくなるくらい、俺は律希が好きだか
ら。