【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
手の届かないような人だよね……。
そんな彼らだからこそ、あの日の事とか
が夢のようにすら、思えて。
ふわふわと、頼りない気持ちなの。
「───……あれ、ねえ、杏子」
「ん?なぁに?」
不意に律希ちゃんに呼ばれて、律希ちゃ
んの方に行くと、律希ちゃんが吉馬君を
指差して。
「城田くん、あんたのこと見てない?」
そんな風に言うから、見てみれば、吉馬
君がこっちを向いていて。
ブンブンと両手を振りだした。
「ほら、やっぱり!」
「え、も、もしかしたら私じゃないかも
……ていうか私じゃないって……!」
「杏子以外に誰が居るってのよ。ほら、
杏子も手ぇ振りなって!」