【完】カテキョはイケメン王子様！～アブナイ恋のお勉強～

人違いだったら恥ずかしいのにぃ、なん
て思いながらも律希ちゃんに無理やり手
を振らされてしまい。



すると吉馬君が、ピースしてきた。



「ほらぁ、やっぱり杏子じゃん！」


「う、うん……」



ビックリした……本当に私だったんだ。



ふと、吉馬君の横へと視線をずらせば、
さすがに手を振っては居なかったけど、
こっちを見ていて。



少しだけ、口元を緩めた気がして。



───ドキン、と。



感じたこともないような甘い胸騒ぎに、
襲われたのには気付かなかった。



◆◆◆



「───……ただいま～」



そう言って帰宅して、ローファーを脱い
でからリビングのドアを開けようとして
、止まった。