【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
「今帰ってきたばかりじゃないのよ」
「あ、あの……お、お散歩に……」
「───逃がすわけ、ないじゃない」
また一段と低くなったお母さんの声に、
最早どんな行動をとればいいのかわから
ない。
とりあえずわかることと言えば、逃げ場
がないという事実。
冷や汗が、タラッと垂れた。
「杏子、すごいじゃないの。国語も英語
も社会も理科も……ぜーんぶ、80点以
上」
「……!」
う、うそ…どうして…。
だってあの時のテストは、キチンと机に
……あ。
そこで私は、この前の学力テストを、し
まおうと思って机に置いておいたのを、
そのままだったことを思いだし。
嫌な動悸まで聞こえてきてしまう。
お母さんに誉められてるハズなのに、こ
んなにも居心地が悪いのは。