【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
「ごめんなさいで済むと思ってるの?」
「や、あの……」
「謝れば、杏子は数学が得意になるの」
……こ、怖いよ……っ。
お母さん、言ってることが怖いよぉ……
。謝らなかったらもっと怒るのに、謝っ
ても追い詰めてくるなんて……。
私は一体、どうしたらいいの……?
「半分も取れないなんて、あんた、相当
お馬鹿さんなのね」
それまで、目は笑っていなくても、口元
には微笑をたたえたままだったお母さん
が、ついに微笑すら消し去って。
嘲るような、冷たい視線で私を見てきた
から、思わず涙目になってしまう。
お母さんの言葉が、痛いです……。
「……杏子?」
「ひゃいっ!」
急に名前を呼ばれたから、返事をする声
が、見事なまでに裏返った。