【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
テストを哀れむような眼差しで見つめな
がらそう言った律希ちゃんを睨む。
ねえ、さっきまで慰めててくれてたよね
!?大丈夫っていってくれてたよね!
今、さりげなく諦めたでしょ。
私が数学を頑張るってこと、諦めたでし
ょ!酷いよ、律希ちゃんってば。
「ていうか律希ちゃんのが美人さんだし
……!」
そんな美人さんに可愛いなんて言われて
も嬉しくないんですけど。
なんて思っていると、律希ちゃんは困っ
たように笑って。
「自覚が無いんだね」なんて言いながら
私の頭を優しく撫でた。
「ねぇ、律希ちゃん……」
「ん?」
「バカってどうしたら治りますか」
「……うん、ごめんわからん」
ですよね、なんて思いながら遠くを見つ
めた。
でも本当に知りたいよ、切実に。