【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
いやだいやだと心の中で抵抗する私を、
容赦なく引き摺っていくお母さん。
「杏子には、家庭教師を雇ったから」
「家庭教師……?」
そうよ、と頷くお母さん。
……あれだ。きっと鞭とか持ってて、一
問間違えることに鞭で打ってくるような
、スパルタなお姉さんなんだ……。
きっと私は、泣きながら勉強をするハメ
になるに決まってるんだ……!
だけど。
「お待たせしてごめんなさいねぇ?これ
が娘の、杏子です」
リビングのドアを開けて、そう言ったお
母さんの向こう側に見えた人物に、私は
目を見張った。
だって……。
「……いえ。大丈夫です」
そこに居たのは───。
「離宮、君……?」