【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
制服姿の、離宮君だった。
目をパチパチとさせる私を、チラッと離
宮君が見た。
「もしかして、とは思ってたけど……。
ほんとに、あんただったんだ」
「え、あの……。離宮君、どうして…」
「……家庭教師だから」
私の質問に、離宮君は短くそう言ったけ
ど……やっぱり上手く状況が飲み込めな
い。
だってリビングには、鞭を持ったスパル
タお姉さんがいるはずで……。
でもここに居るのは、離宮君で……。
あ、あれ?
うーん、と考え込んでいると、お母さん
が呆れたように私を見下ろす。
「なに考え込んでるの。ほら、あんたも
挨拶しなさい。皐君があんたの家庭教
師してくれるんだから」
「えっ」