【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
ベシッとおでこを叩かれた。
……痛い。なんでこの人は、いい大人の
くせに力加減というものを備えていない
んだ。
母さんを見ると、母さんはちょっと怒っ
たような、呆れたような表情を浮かべて
いて。
「あんたが教えるのは、輝明君の妹の、
親友のお子さんよ!」
……え、なに。
ちょっとややこしくて、瞬時には理解で
きなかった。……ていうか。
「超他人じゃん」
最早なんの接点もないんですけど。
「つべこべ言わない!いいから、その子
に数学教えてあげて!!」
そう言われて、最初からこれが目的だっ
たんだと思った。
最初の変な口調は、俺にお願いするため
のものだったのか。