【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
ふと、俺が女嫌いになったそもそもの元
凶である人物を思い出して、ブルッと身
震いした。
思い出すのもおぞましい……。
「でももう約束しちゃったし!ていうか
これ、絶対命令だからっ」
「ふざけんな。俺は行かない」
「お願い!ていうかその子、すんごいい
子だから!もう天使みたいだから、杏子
ちゃんは!!」
ふと、聞き覚えのある名前が聞こえてき
て、母さんを見る。
「名前、なんて?」
「如月杏子ちゃんよ」
……やっぱり。
ふと、脳内に浮かんでくる、柔らかい笑
顔。
その時の俺は、どうしてか───。
「わかった。引き受ける」
アイツなら、いいかな、と思ったんだ。