【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~





───そして、今。



「えと、じゃあ……こちらへ…」



おずおずとしながら、俺を二階へと案内
している如月。



俺を見つけた時の如月の目があんまりに
真ん丸すぎて、可笑しかったのが印象的
だった。



それから、数学が相当嫌いなのか、背中
にさっきから、どんよりした負のオーラ
がまとわりついてる。



「……どうぞ」



そう言って促されて、如月の部屋に入る
と、少し居心地が悪くなって、思わず眉
を潜めてしまう。



だってあからさまに、"女の子"って雰囲
気の部屋だ。俺が浮く。



だけど可愛らしくて、如月に似合う部屋
だな、とも思った。



パステルピンクの壁紙と、ふわふわした
絨毯。



薄いピンクのドット柄のカーテンに、少
しフリルのあしらわれたベッド。





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