【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
……ああ、そういうことか。
なんだ。初対面の時から、ものすごい天
然を炸裂してきたもんだから、てっきり
頭ん中、ポケーッとお花畑だとか思って
たけど。
「ちゃんと気遣い出来んだな……」
「え?」
思わず呟いた声は、どうやら如月には届
かなかったらしく、不思議そうに訊き返
された。
「いや、別に……。それと、心配しなく
ていい。俺が自分から引き受けたから」
そう言うと、一瞬きょとんとしてから、
安心したのか、満面の笑みを浮かべる如
月。
「良かった……!じゃあこれから、よろ
しくお願いしますね、離宮君!」
そう微笑んだ彼女に。
小さく胸の奥が、甘く鳴いたのには、気
付かなかった。
そしてこの日から、俺は如月の家庭教師
になった。