【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
やっぱり……。
「やっぱり離宮君は、優しいですね」
ふわっと微笑めば、離宮君は少しだけ、
目を見開いてから、バツが悪そうに顔を
逸らした。
「……優しくなんてない」
優しいくせに。
こんなバカな私の為に、頼まれていない
日まで勉強を見てくれるなんて、すごい
優しい。
「ふふ。じゃあ、よろしくお願いします
ね」
そう言うと、離宮君は「ん」と短く答え
てくれた。
◆◆◆
「そういえば、離宮君」
放課後の図書室は、あんまり人もいなく
て閑散としていた。
私は、窓際の席に着きながら、ふと、疑
問に思ったことを口にした。