【完】カテキョはイケメン王子様!~アブナイ恋のお勉強~
それに煽られるようにして、なんでか、
胸のドキドキが高まっていく。
「ど、どうして隣……」
「ああ。こっちの方が、教えやすいから
」
「そ、そっか……」
そう、だよね。
真正面に居たんじゃ、文字が見にくいだ
ろうし、そりゃこっちの方がいいんだろ
うけど。
……なんか、すごく近い。
肩先が触れてしまいそうなくらい。なん
でこんな……ドキドキするのかな……。
「じゃあ、ここから」
そう言って、スッと離宮君の手が伸びて
くる。
私とは違う、骨ばった、ゴツゴツした、
男の子らしい手。
だけど繊細そうな、長い指先。