紅いイヤホン【完】
あと1日の、あと。
side K
…何が起こったん?
呆然と俺が見つめるのは店を出て行った紫衣の後ろ姿。
最愛の彼女の紫衣。
そんな紫衣に俺は…何て言われたん?
「…かおる?どうした!?」
後ろからリュウの声が聞こえる。
「…なんで」
「かおる!?…紫衣ちゃんは?」
「…紫衣、」
「かおる、しっかりしろって!」
「紫衣…?」
紫衣、なんで?
「もしかして…紫衣ちゃんに別れ、言われた…?」
「…!?リュウ、お前なんか知ってんか!?」
目の前に来たリュウの肩を必死で揺さぶる。
「答えろやリュウ!」
「ちょ、落ち着けって…!!店閉めてくるから、お前奥行け。何処も行くなよ。」
背中を押されてされるがままに控え室に入る。
ソファに座っても、頭の中には紫衣だけ。
俺…別れ、言われたん?