紅いイヤホン【完】
「……どうぞ。」
いつも使ってたカップで紅茶を出した。
…何の用なのよ。
ソファに座ったまま黙ってるかおるさんからは何もわからない。
……何がしたいの…
ひどいよ。せっかく離れたのに。
抱きつきたくなるじゃん…。
「……紫衣、」
「なに…用無いんだったら帰ってよ。あたし忙し「好きや。」
は…?
いきなり、なに……っ
「…かおるさんが好きなのは違う人でしょ?」
もう言ってしまおう。
ぶつけてしまおう…っ
「だからかおるさんはその人のところ行きなよ。もうあたしに関わらないで…!」
不意にあたしを見上げて目が合った。
…もう、本当、なんで
「何でかおるさんが泣くの…?」
泣きたいのはあたしの方だよ…
「意味わかんないよ…」
「…ちゃうねん。」
「もう良いから…!」
「聞けや紫衣!俺が好きなんはお前やねん‼」