紅いイヤホン【完】






「…俺も渡さな、な。」



「ん?何くれるのーっ?」




ワクワク。ドキドキ。



かおるさん、センスめちゃくちゃ良いからくれるもの全部あたしのツボなんだよね。



来ていた服のポケットから小さな箱を取り出す。




「……え、」



この箱って。



「……つけて、くれへん?」



開けて顔を覗かせたのは、やっぱり…





「な、んで…」





あたしが好きそうな、ちょっと派手目のデザインの。




「…指輪。つけて欲しかってん…紫衣に。」





震える指先で持ち上げてみると、裏にはあたし達のイニシャル…




『K.K-S.K』




って、




「かおるさん…あたしの名字柊のH何だけどーっ!え、忘れたの!?」




普通、彼女のイニシャル間違えるー!?




前のめりにまくしたてると、照れたようにかおるさんが一言。





「せやから…どうせ将来Kになるから、思て…。」




……っ!?///



Kって、上野……紫衣?






「かおるさんっ…大好き!」








もう、なんでそんな嬉しいことしてくれちゃうんだよーっ!







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