紅いイヤホン【完】
あんまり嬉しくてソファーに座るかおるさんの上に乗っかり首に腕を回す。
「ごめんな、これ出来あがんの2時やったからすぐに会いに来れんかった…」
「…ううん、来てくれただけで嬉しい…。」
「…なぁ、紫衣、キスして?」
珍しい…。かおるさんからのお願い。
ジッと見つめてから、徐々に目を瞑りながら近づいて…
長い、触れるだけのキス。
そこからは形勢逆転…
ソファに寝かせられて、自分がわからなくなる程の甘くて熱いキスをくれた。
「…紫衣…」
「…んっ…」
「……愛してんで。」
初めて言ってくれた愛のコトバ。
それはあまりに突然で。
…あんまりびっくりし過ぎて思わず起き上がってしまうほど。
「ななななにいきなり!!」
「…言いたくなったから言っただけやん。良い雰囲気やったのに…。」
「ちょ、え、は?!え…ねぇ、もっかい!もっかい言ってーー!」
ふっと呆れたように笑われたけど、それどころじゃない。
かおるさんが、初めて…
初めて言ってくれたんだもん。
ずっと聞きたかった言葉を…。
「…もう一回だけやで?」
「うんうん!」