紅いイヤホン【完】





あんまり嬉しくてソファーに座るかおるさんの上に乗っかり首に腕を回す。




「ごめんな、これ出来あがんの2時やったからすぐに会いに来れんかった…」




「…ううん、来てくれただけで嬉しい…。」



「…なぁ、紫衣、キスして?」





珍しい…。かおるさんからのお願い。




ジッと見つめてから、徐々に目を瞑りながら近づいて…





長い、触れるだけのキス。







そこからは形勢逆転…






ソファに寝かせられて、自分がわからなくなる程の甘くて熱いキスをくれた。







「…紫衣…」




「…んっ…」








「……愛してんで。」










初めて言ってくれた愛のコトバ。



それはあまりに突然で。







…あんまりびっくりし過ぎて思わず起き上がってしまうほど。





「ななななにいきなり!!」





「…言いたくなったから言っただけやん。良い雰囲気やったのに…。」




「ちょ、え、は?!え…ねぇ、もっかい!もっかい言ってーー!」






ふっと呆れたように笑われたけど、それどころじゃない。





かおるさんが、初めて…



初めて言ってくれたんだもん。




ずっと聞きたかった言葉を…。







「…もう一回だけやで?」






「うんうん!」
























< 36 / 39 >

この作品をシェア

pagetop