ラストコール
「…ん」
『私、バカで、アホで最低なこと…、言ってもいい?』
「…うん、聞こうか。君のバカで、アホで、…最低なこと」
ありがとう。と笑ってから小さく息を吸う彼女に「どういたしまして」と返した。
『私…ね、』
「…うん」
『誠ちゃんを助けたこと、後悔してないって…堂々と胸を張って言えない。』
「…」
『皆で、まだ遊園地いけてないし。』
「…」
『それに、薫とショッピング行く約束も、隼人に数学教えてもらうのも、ジョーダットにサーフィン見せてもらうのも、全部、全部…』
小さく鼻を啜る音が聞こえる。彼女は、
『果たせてないっ、したいこと、やりたいこと、まだ沢山あるのにっ、何一つ、果たせて、ないよっ』
泣いていた。
『まだ、生きたい。皆と、一緒にいたいっ…誠ちゃんの、側にっ…高校も大学も、その先もっ、ずっと…一緒がよかったっ…!』
「……」
『貴方に、だって、好きの言葉さえ言えなかった。』
溢れてる涙。鼻の奥がツンとする。
『…酷いでしょう?私…』
「…そんなことない。酷くなんかない」
彼女のしたかったこと、やりたかったこと、交わした約束。全て出来なくさせた。果たせなくさせたのは紛れもない僕なんだ。
それに僕だって、君と交わした約束守れてない。
だから、いくらでも僕を責めたてれば良い。寧ろ、責めてくれ。じゃないと、僕は自分が許せなくて仕方がない。
『もう一つだけ…言わせて』
「…うん」
一つなんて言わず、いくらでも言ってくれ。全部、受け止めてみせるから。
『…私のこと、私との思い出を…、忘れないでよ。』
「っ…‼」
泣きながらも、笑いを含んだ声で彼女は言う。
忘れるなんて、忘れることなんて、出来るわけないじゃないか。
今でも僕は君を求め続けているというのに。
僕もあいつ等も、そんなことしないし、しようともしない。だから…
「大丈夫だよ」
大丈夫。君の存在は、生きていた証はちゃんと僕達が覚えてるから。守っていくから。何も、心配なんかしなくていい。
『誠ちゃん達に背負わせるなんて…私、ほんと最低ね…』
「そんなことないさ、これぐらい…いくらでも背負ってやる」
『….あと、これは…、お願い、ね』
「うん、何?」
『…幸せに、幸せになって。』
「…」
『今は、私に、仲間に、過去を背負って…大変かもしれない。けど…そのうち一つ一つ軽くなっていくから、私、ちゃんと誠ちゃんから離れて…誠ちゃんのこと、皆のこと見守ってるから、』
言葉がだんだん途切れ途切れになっている。息も荒くなって。成仏寸前にこんなに沢山、喋っているのだから当たり前だろ。
『あ…、言いたかったこと大体伝えられたからかな、…ぼー…となる…』
「…待って、まだ、もう少しだけっ」
『じゃあ、…本当の、最後に』
「頼む、…まだ待ってくれっ…」
嫌だ、嫌だ。
これが終わってしまったら本当の本当に最後に、最期になってしまう。
『誠ちゃん』
「…お願いだから」
『残念ながら、直接は言えなかったけれど…』
「…もう、少しだけっ」
『私、皆と会えて、誠ちゃんといられて幸せでした。本当は会って伝えたかったよ。あの時言いたかったよ。
言えばよかったね。伝えれたなら、もう一回痛い思いしたのも、悪くなかったな。ありがとう…大好き」
『・・・僕も、好きだ。』
『私、バカで、アホで最低なこと…、言ってもいい?』
「…うん、聞こうか。君のバカで、アホで、…最低なこと」
ありがとう。と笑ってから小さく息を吸う彼女に「どういたしまして」と返した。
『私…ね、』
「…うん」
『誠ちゃんを助けたこと、後悔してないって…堂々と胸を張って言えない。』
「…」
『皆で、まだ遊園地いけてないし。』
「…」
『それに、薫とショッピング行く約束も、隼人に数学教えてもらうのも、ジョーダットにサーフィン見せてもらうのも、全部、全部…』
小さく鼻を啜る音が聞こえる。彼女は、
『果たせてないっ、したいこと、やりたいこと、まだ沢山あるのにっ、何一つ、果たせて、ないよっ』
泣いていた。
『まだ、生きたい。皆と、一緒にいたいっ…誠ちゃんの、側にっ…高校も大学も、その先もっ、ずっと…一緒がよかったっ…!』
「……」
『貴方に、だって、好きの言葉さえ言えなかった。』
溢れてる涙。鼻の奥がツンとする。
『…酷いでしょう?私…』
「…そんなことない。酷くなんかない」
彼女のしたかったこと、やりたかったこと、交わした約束。全て出来なくさせた。果たせなくさせたのは紛れもない僕なんだ。
それに僕だって、君と交わした約束守れてない。
だから、いくらでも僕を責めたてれば良い。寧ろ、責めてくれ。じゃないと、僕は自分が許せなくて仕方がない。
『もう一つだけ…言わせて』
「…うん」
一つなんて言わず、いくらでも言ってくれ。全部、受け止めてみせるから。
『…私のこと、私との思い出を…、忘れないでよ。』
「っ…‼」
泣きながらも、笑いを含んだ声で彼女は言う。
忘れるなんて、忘れることなんて、出来るわけないじゃないか。
今でも僕は君を求め続けているというのに。
僕もあいつ等も、そんなことしないし、しようともしない。だから…
「大丈夫だよ」
大丈夫。君の存在は、生きていた証はちゃんと僕達が覚えてるから。守っていくから。何も、心配なんかしなくていい。
『誠ちゃん達に背負わせるなんて…私、ほんと最低ね…』
「そんなことないさ、これぐらい…いくらでも背負ってやる」
『….あと、これは…、お願い、ね』
「うん、何?」
『…幸せに、幸せになって。』
「…」
『今は、私に、仲間に、過去を背負って…大変かもしれない。けど…そのうち一つ一つ軽くなっていくから、私、ちゃんと誠ちゃんから離れて…誠ちゃんのこと、皆のこと見守ってるから、』
言葉がだんだん途切れ途切れになっている。息も荒くなって。成仏寸前にこんなに沢山、喋っているのだから当たり前だろ。
『あ…、言いたかったこと大体伝えられたからかな、…ぼー…となる…』
「…待って、まだ、もう少しだけっ」
『じゃあ、…本当の、最後に』
「頼む、…まだ待ってくれっ…」
嫌だ、嫌だ。
これが終わってしまったら本当の本当に最後に、最期になってしまう。
『誠ちゃん』
「…お願いだから」
『残念ながら、直接は言えなかったけれど…』
「…もう、少しだけっ」
『私、皆と会えて、誠ちゃんといられて幸せでした。本当は会って伝えたかったよ。あの時言いたかったよ。
言えばよかったね。伝えれたなら、もう一回痛い思いしたのも、悪くなかったな。ありがとう…大好き」
『・・・僕も、好きだ。』