あんなやつ・・・
「未来!親が迎えにきてくれたから先に帰るね!」
あ、行っちゃった。
残ってるのは私とあいつ。
わたしの親は帰ってしまった。
「帰ろう…」
小さい声であいつが言った。
まぁ、2人しかいないし。
しょうがないし。
…………………
このままずっと黙ってるのか?
これって、一緒に帰ってることになるのかね。
あいつのほうを一瞬見ると、
下向いて歩いていた。
今回はじめて優しいって思った。
いままではこんなことなかったし。
「ん?なんか用?」
いつの間にか顔をじっと見てしまった。
「いや、なんでもない」
私たちはこんな会話しかできないのだろうか。